お知らせ

2020.11.20

運営推進会議

  第51回 運営推進会議を行いました。

 

 新型コロナウイルス感染防止策とし、密をさけるため出席者に制限をかけて開催する。

 

*運営状況・活動状況報告

 

*身体拘束・虐待防止委員会内容報告、ご意見

 ①令和2年9月23日(水)

 <身体拘束・虐待についての勉強会>

  福祉施設の職員の入居者虐待について

 

 <虐待の種類>

  身体的虐待   :身体に傷や痛みが生じる。生じうる暴力と外部との接触を遮断する。

  世話の放棄・放任:長時間の放置や虐待の放置など、身体的・精神的状況や生活環境を

           悪化させること。

  心理的虐待   :脅しや侮辱の暴言、いやがらせ、無視等、精神的に痛みを与える行為。

  性的虐待    :要介護者本人が同意しない性的な行為。

  経済的虐待   :要介護者本人が合意しない状態で金銭や財産を不当に使用・処分、本人

           の使用を制限すること。
 

  これらは更に、「要介護者による虐待」「要介護施設従事者による虐待」に分けられます。

  虐待が起こる要因として「ストレス」が挙げられます。要介護者を介護する者は、日々の

  介護で大きなストレスを抱えやすくなり、介護疲れを起こしてしまいがちです。また、スト

  レスや介護ストレスにより「うつ」を患ってしまうこともあります。

  このような介護者への精神的・肉体的負担が虐待に繋がっていくのです。
 

 <周囲の注意による早期発見が予防の鍵となる>

  虐待を防ぐためには、周囲が注意を払うことも大切です。

 

  『身体的虐待の場合』

  身体に不自然な傷や痣がみられることがあります。痣が離れた部位に複数ある場合は、特に

  注意が必要です。痣の色は時間の経過によって、紫・褐色・緑・黄色と変化していくので、

  色を見ることで痣ができたタイミングをある程度把握できます。痣の場所や色は、身体的虐待

  を判断する一つの目安となります。

  そして、不審な傷や痣を見つけた場合は、介護者や要介護者に傷や痣が出来た理由を尋ねて

  みましょう。要介護高齢者は介護者をかばい虐待の事実うぃ話さないことが多くありますが

  介護者の話し方が不自然でしどろもどろな場合は虐待が疑われます。

 

  『心理的虐待の場合』

  介護者は介護疲れやづ取れすの蓄積により、高齢者に攻撃的になりがちです。身体的虐待の

  ような見た目の変化が少ない為、介護者の様子も含めて注意深く見守ることがポイントとなり

  ます。
 

  『経済的虐待の場合』

  経済的虐待も第三者では発見しづらいものです。要介護者の金銭を使っているからといって

  必ずしも虐待には繋がりません。

  ポイントとして「要介護者本人の意思に基づいた金銭や財産管理をしているか」「本人の同意

  を得て金銭を使用しているか」「それにより介護に支障をきたしていないか」のような基準が

  虐待なのか否かを判断するポイントとなります。

  虐待を受けている要介護者は、自分の状況を把握するのが難しいような認知症を患っている方

  が多いため、虐待の早期発見のためには周囲が早期発見することが大切です。

 

 <認知症高齢者に対する虐待が多い理由>

  北海道で認知症入居者を平手打ちした介護職員は虐待を行った理由として「言うことを聞いて

  くれない。攻撃的になってしまった。認知症のためやっても分からないし、誰にも話さないだ

  ろうと思ったから」と答えたそうです。

  このケースは「言うことを聞いてくれない」入居者にストレスを感じたことがきっかけになっ

  ています。
 

  「なぜ、虐待をしてしまうのか」という発生理由の統計があります。

    ・教育・知識・介護技術等に関する問題 ・・・・・・・128件   割合:66.3%

    ・職員のストレスや感情コントロールの問題 ・・・ ・・ 51件   割合:26.4%

    ・虐待を助長する組織風土や職員間の関係性の悪さ ・・  25件   割合:13.0%

    ・人員不足や人員配置の問題及び関連する多忙さ ・・・  23件   割合:11.9%

    ・倫理観や理念の欠如 ・・・・・・・・・・・・・・・  20件   割合:10.4%

    ・虐待を行った職員の性格や資質の問題 ・・・・・・・  20件   割合:10.4%

 

  この結果を見ると、認知症に対する正しい知識がないまま介護職に従事し、感情をコントロー

  ルできなくなっている介護者の姿が見えてきます。介護職員が不足している現状では、新人で

  あっても即戦力としての能力を求められます。介護を学んでいても、実践となると戸惑うこと

  もあるでしょう。しかし、慢性的な人手不足となっている介護業界では、経験を積む前に多く

  の仕事を一人でこなさなければなりません。一方では、認知症知識のない介護職員が増えてい

  るのではなく、知識を生かす余裕がないといった側面もあるように感じられます。

  認知症の高齢者を介護する職員がストレスを感じるのは当たり前のことです。介護施設を運営

  する経営者が職員のメンタルケアにどのくらい力を入れているのか聞いてみることをお勧めし

  ます。人と人が接する介護の現場では「感情」が大きく揺れる場面が頻繁にあります。その時

  どのようにメンタルコントロールをするかが、ストレスを溜めないためには大切になります。

 

 上記、身体拘束・虐待についての勉強会内容について委員へ報告を行う。

 

 ②令和2年10月14日(水)

 <事例:ひのきユニット>

  81歳 女性 認知症あり。自分の思いが伝えられず、行動に出てしまったり、職員の指示も理解

  しにくい方です。

 

  ・事例 :日常生活においても意思疎通がほぼ困難。入浴時に声かけを行い浴室に案内するも

       強く拒まれ興奮状態みられることがある。誘導・脱衣の時点で拒まれる時は、順番や

       入浴日を変更している。職員に対しても暴力行為がみられる時がある。

       意思疎通が困難であり拒否が強い方に対しての入浴介助は、身体拘束・虐待にあたる

       のか。
 

  ・改善策:本人のストレス緩和のためにできることとして、必ず暖房をつけて脱衣室を温めて

       おく。また、浴室内もシャワーを出しておき暖めておく。音楽をかける。風呂場を

       暗くし夜に入っているような雰囲気を作る。内服薬の調整を検討する。
 

  ・その後の検討:

       脱衣室と浴室等の温度差をなくし、肩にバスタオルをかけ、マンツーマンにて入浴

       を実施したところ、比較的落ち着いて入浴することができた。また髪を乾かす時に

       もドライヤーを弱くあてることで嫌がることも少なくなった。音楽をかけて入浴し

       ていただいたが、あまり効果が得られなかった。

       今回の改善策を行うことで、こじんまりとした閉鎖的な空間を好むことがわかった。

       今後の対応として、マンツーマンでの対応と室温差をなくすこと、髪を乾かす時の

       対応を継続していく。
 

 ・ご意見:

   (O様)入居前に見学をさせていただきましたが、脱衣場とお風呂が家庭よりも大きく作られ

      ていて、介護をするには十分な広さを確保できていると思いました。おばあちゃん

      たちにとっては家のイメージがある中、逆に広いのかもしれませんね。私も家に

      おばあちゃんがいる時に体を洗ったことがありましたが、娘の私にでさえ見られて

      恥ずかしい思いをしていたと思います。介護サービスも利用していましたが、みん

      なに見られて嫌と言っていました。施設の改善策の中に肩にバスタオルをかけて・・

      とありましたが、本人の恥ずかしいという思いに対して良い対応だと思います。

      トイレとかお風呂とかは他の人との関わりがあると嫌だなと思う。今まで一人で

      できていて恥ずかしい思いもなくやれていたことが出来なくなって、誰かの手を借

      りないと出来なくなってしまった衰えを感じていると思う。私はマンツーマン入浴

      やバスタオルをかけるという施設の対応で良いと思う。

   (Y様)音楽をかけたり、ゆっくりお風呂に入れること、個別の対応で心が和むと思います。

 

*評価・要望・助言

 ・入居者代表

  (O様)自分でやれることはやっているし、皆さん良くしてくれて、よくやっているので

     十分です。前よりは良くなったけど、腰が「ビビビ」と痛いのが治ればいいんだけど

     便所に行くのが大変。動けるうちはいいけれど、小便だけが心配です。私よりもひど

     い人もいるけど、私はまだいい方だと思っています。

     シルバーカーを買ったけど、とても使いやすくて助かっています。食べ物も美味しい

     し、手を付けたものは全部食べるようにしています。1年に1回しか米が取れないんだ

     から大切に食べています。

     この前のバーベキューは食べ物も美味しく食べれて楽しかった。また機会があれば

     参加してみたいです。

  (O様)私は耳が聞こえないし、足が歩けないのが心配なの。夜、トイレに連れて行って

     もらって、良くしてもらって助かっています。困ることはないけれど、一番心配なのは

     トイレだけです。

     バーベキューに参加して、あれは美味しかった。なかなか一人では出来ないから楽し

     かった。食べ物もみんな美味しかったけど、焼きそばかな、焼きそばが美味しかった。

  (K様)別に不自由することはないです。
 

 ・家族代表

  (O様)家だと段差があって私自身も足を擦って歩くようになり、少しの段差で躓くようにな
     りました。おばあちゃんもこういった施設に入ることが出来て良かったです。本人が

     穏やかに過ごせることが一番です。こちらの施設はすごくいいです。

     面会が出来なくて家族的には寂しいですが、ここ数日で感染者も増えて心配しています。

     でも、こちらの施設では面会を中止にしていただき、感染症対策にも配慮いただいて、

     寂しい思いはありますが、安心していられます。今の現状からみると、もっと長めに

     面会を中止していただいていた方がいいと思います。
 

 ・地域住民代表

  (Y様)今もサロンを週に2回行っていますが、この状況下で2回実施していることに悩んで

     います。宇都宮市内でも感染者が出てきているので、心配ですね。
 

 ・地域包括支援センター

  (K様)厚生労働省の方から感染防止のために、マスクを取らない、飲食をしない、2m以上

     のソーシャルディスタンスの確保を行うようにとお知らせがありました。医療関係者

     はそれに加え、フェイスガードの着用の案内も来ていました。

 

関連施設
  • 【さくらの杜】宇都宮市の特別養護老人ホーム
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