第58回 運営推進会議を行いました。
新型コロナウイルス感染防止策として文書及び電話により開催する。
*運営状況・活動状況報告
*身体拘束・虐待防止委員会内容報告、ご意見
①令和3年11月17日(水)
<事例:他施設等の身体拘束・虐待について>
事例 :介護施設に入所する高齢者などから携帯電話を使用し警察に110番通報される事案が
増えている。訴えの内容は「施設に監禁された」というものですが、調べによると
その事実はない。コロナ禍で、家族との面会が制限されるなどして孤独感が募り、
正しい判断ができなくなったようです。Kさんの施設(老健)では、今年に入って
から入所者が警察を呼ぶケースが3件あった。
通常だと入所を検討する段階で、ご家族が施設の見学に来る。体の状態にもよるが、
ご本人同伴で来ることも少なくはない。見学はもとより職員が何人ぐらいいて、
どんな食事が出るのか、リハビリも含めての1日のスケジュールはどうなっている
のか、老健がどういう施設で何のために入所するか等の詳しい説明を受ける。
ご家族もご本人もそれを聞いて納得した上で入所する。しかし、新型コロナウイルス
の流行が深刻化した昨年の春以降、外部からの人の出入りが禁止された。その結果、
入所の説明はパンフレットなどを基に担当者と家族が面談するか、電話での打ち合わ
せによって済まされることが多くなった。ご家族も入所先に関する説明を詳しく語る
のは難しい。そんな状態では「突然、見知らぬ場所に連れてこられた」と受け止める
方がいても仕方ない。家族との面会は、感染防止のため今は控えていただいてる。
その代わりにリモート面会を行うようにした。しかし、高齢の方は新しい機器やテク
ノロジーに馴染みがない。画面を通してでは会話もピンとこない。目の前に家族が
いて話をするのとは大違いで気が晴れることはないようだ。家族と会えないことが
孤立感に繋がり、その寂しさから冷静な判断ができなくなる。その結果、「監禁され
ていると思い込まれるのではないでしょうか」と推測する。
事例施設での改善策:
通報した3人のうち、2人は家族との話し合いのうえ退去、在宅での介護となった。
残る1人はご本人も交えてご家族と面談し、老健がどのような施設で、ご自分が入所
した事情を納得されたので、現在も当施設で過ごしている。
当施設での改善策:
①コロナ時期の面会:今までは予約制で①リモート②窓越しで携帯電話で会話する。
今月からは、施設内での衝立越しでの面会が可能となって
いる。詳細は各ユニットに配られている「コロナウイルス
流行時の面会対応」を確認
②コロナ入居時の入居説明:
施設内見学は不可。パンフレットを使用して説明している。
③携帯電話の持ち込みは良いのか、または家族と本人の希望が違った時はどうするのか:
携帯電話の持ち込みは良い。家族が持たせたくない場合は、きちん
と本人に説明、了承を得ることとする。
④携帯電話の使用方法、使用場所:
基本的には居室で使用してもらう。自身でかけることができない方
は、家族と話をし、かける時間等を決め職員が仲介する。
ご意見(O様)コロナの影響はいろいろなところに出ているんですね。私の母の入居の時は
コロナ前ギリギリの時期だったので、施設内にも入ることができました。
入ることのできなかった方もたくさんいるんでしょうね。
(Y様)全く何も知らない状況で、新しい所に連れてこられたら、監禁されたと思って
しまうかもしれないですよね。家族も施設内を知らないことで心配もあるのかと
思います。
②令和3年12月8日(水)
<身体拘束・虐待についての勉強会>
「スピーチロックとは?実際の具体例や気を付けるべきポイント紹介!」
スピーチロックは言葉かけによって身体的、精神的に行動を抑制すること。「言葉の拘束」
とも呼ばれ「ちょっと待ってて」「ダメでしょ!」などの声かけがスピーチロックになる。
介護する側が何気なく使っている言葉や声かけによって、利用者の言動が抑制されてしまう
ことがある。つまり、実質的な拘束となってしまう。しかし、スピーチロックには明確な
線引きがない。一般的な声かけとの違いが分かりにくいこともあり、現在スピーチロックに
対する問題意識が高まってきている。「ちょっと待って」という言葉は、なぜ待たなければ
ならないのか、どれくらい待たなければならないのかが分からないため、利用者はひたすら
その場で待つ必要がある。また、命令口調なので利用者に対して動かないことを命令して
いることになる。そのため、利用者の行動を抑制することになってしまう。命令口調では
なく、優しい口調で、かつ具体的な内容を伝える必要がある。「~ください」という言葉
遣いに対しても考え直したほうが良い。「~ください」という言葉は一見丁寧に思えます
が、これは丁寧に命令をしているだけですので注意が必要。「~していただけますか?」
というように相手に判断を委ねる言い方だと、利用者の尊厳を保った言い方になる。
①スピーチロックがなぜ良くないのか
・行動意欲が低下してしまう。自分がしたいことを禁止されたり、長時間待たされ
たりすると「無視された」「拒絶された」といったネガティブな感情が生まれる。
利用者は意思表示することを諦めてしまったり、自分から行動するという意識が
低くなってしまったりする。
・要介護度が悪化してしまう。行動意欲が低下し、自分で行動しなくなると筋肉を
動かす機会が減ってしまう。筋肉を動かす機会が少ない状態のままでいると、これ
までできていたことが徐々にできなくなる。
・認知症患者の場合は症状が悪化する。認知症患者は、短期記憶は低下していますが、
自分の感情は強く残る傾向がある。そのため「無視された」「拒絶された」といった
感情を抱くとそれを覚えており、職員に対して「怖い」と感じるようになる。そのこ
とが被害妄想やせん妄に繋がっていく恐れがあるため、注意しなければならない。
認知症の方はストレスで症状がエスカレートしてしまうこともあるため注意が必要。
②スピーチロックの対策方法の取り組み
・否定形ではなく、依頼形で伝える。尊敬語、謙譲語を使い、利用者に対して常に敬意
を持った言い方で接するようにする。伝える内容は同じでも言い方に気を付ける事で
スピーチロックを回避できる。
・スピーチロックを防ぐためには、言い換える言葉の一覧表を作成し、職員間で共有す
るといい。また、言葉遣いだけではなく、表情が無表情にならないよう、笑顔で話す
ことも大切。
・相手の立場を考えることが大切。利用者に認知症があったとしても、思いやりを持ち
一人の人間としてコミュニケーションを取ろうとする姿勢が大切。
・稀な例で、職員が利用者よりも上の立場であると思い込み「虐待ではなくしつけ」と
してスピーチロックを行っていることもある。無意識の状態もあるため、普段から最新
の注意を払うことが必要です。
ご意見
(O様)ちょっとした時に言ってしまいそうですよね。何気ない一言で相手を傷つけてしまう
こともあるんでしょうね。
(Y様)話し方次第で相手への伝わり方が変わってしまうのですね。言葉って難しいですね。
*評価・要望・助言
・入居者代表
(K様)この間お汁粉を作って食べました。美味しかった。昔を思い出して、懐かしく
なりました。
(O様)こうして元気でいられて幸せです。塗り絵とかもやりましたが、なかなかうまく
はいかないものですね。
(O様)ここは冬でもあったかくて過ごしやすいです。富山は雪がいっぱい降るんです。
最近はあまり雪をみなくなりました。
・家族代表
(O様)先日、コロナウイルス3回目ワクチン接種の話を聞きましたが、今日接種された
んですね。母のような方の接種は大変でしょう。いつもありがとうございます。
・地域住民代表
(Y様)なかなかコロナも落ち着かないで、職員さんも大変でしょう。いつまで続くのか
わからないから、ご苦労が絶えないですよね。
・地域包括支援センター
(O様)コロナワクチン接種も終わったと聞いたので、少しは安心ですかね。地域の方の
接種もこれから始まるところなので、スムーズに接種できるよう話をしていこう
と思っています。