お知らせ

2023.01.20

運営推進会議

第64回 運営推進会議を開催しました。

 

*運営状況・活動状況報告
 
*身体拘束・虐待防止委員会内容報告、ご意見
 ①令和4年11月9日
 <他施設等の身体拘束・虐待についての事例>
  事例:言葉による行動抑制についての事例
  (1)入居者:80歳 女性 アルツハイマー型認知症 要介護3
  (2)拘束に至った経緯
     入居時より落ち着きなく、他者の部屋に入られる、口におはじきを入れる、食事中に
     隣の方の食事を食べるなどの行動があった。歩行もフラフラし転倒の可能性があった。
     椅子から立ち上がりウロウロすることで危険が生じると職員が思い、立ち上がろうと
     するとすぐに「危なかけん、座っとってね」「ここにおってね」等と言葉による行動
     抑制、行動範囲の抑制が行われていた。
  (3)身体拘束廃止への取り組みと効果
     まず、職員の意識を「歩き回る=危険」から「歩き回る=欲求」と意識づけし、本人の
     行動を抑制せず、一緒に介助歩行してついて回ることから始めた。その結果、下肢筋力
     は強くなり、歩き回ることはあっても転倒傾向はなくなり、職員は割と遠くから見守り
     ができるようになった。本人もやりたいことがやりたい時にできるようになり行動範囲
     も広がり、落ち着きを取り戻された。行動観察すると他者のタンスの引き出しを開け中
     の物を違う人の部屋に持っていく行為も断定はできないが整理整頓を行っていると思わ
     れる。
     当初、職員が少ない時間帯は見守りが大変だったが行動抑制せずやりたいことができる
     ようになってからは落ち着かれている時間帯が増えた。そのため、職員の見守りも
     さほど必要ではなくなった。
  (4)その後の経過
     途中隣の人の食事を盗られることも少なくなったが、最近はまた多くなった。まわりに
     人が多いと落ち着いて食事ができないとの理由から、多人数での食事ではなく、少人数
     で食べられている。現在も見守りが必要だが、職員の介護負担は入居時と比べて軽減し
     ている。認知症が重度で危険を伴うため職員は行動を抑制していた。施設理念の一つ
     でもある「行動を制限しない」を徹底させることで自立支援QOLの向上が図れた。
 <ご意見>
  Y様 :介護者の会で認知症の方の行動について、何をしたいのかその奥を考える勉強などを
      しています。自分はこうしたいとかの思いを本人が言えない場合には家族からの話を
      聞くなども良いと思います。でも、全ての対応ができるようにするのは難しいですね。
  施設職員:目的を達成するために何が必要か、ふらつき=転倒リスクと考えるのか、転倒予防
      のために下肢筋力の向上を考えるのかなど、視点の切り替えが行えるようにしていきた
      いと思います。
  理事長:自分で動きたいと思った時にそばで手を差し伸べる手があるということが大切。手が
      足らないと全てには対応できず、「ちょっと待って」と言うことが言葉の虐待に繋がっ
      てしまうこともあるので注意していく必要があります。
  I様 :利用者の行動については、「問題行動」として目が行きやすいですがそこの目線は外し
      て、本人がやれること・職員がやれることをいろいろやって試してみるしかないです。
      うちの母は、歩行器・杖は効果がなかったが、手すりが一番有効でした。行動を遠目で
      みられるようになったら楽になりました。何がマッチングするか、思考を止めないで
      アイデアを出し合う他はないと思います。認知症の方にとっては生活歴は重要だと思い
      ます。情報をもとに考えると、この行動=あの行動と繋がっていくことがあるので、
      その人のルーツを探るというのは、その後のケアにおいて重要だと思います。
  理事長:職員は、つい転ばぬ先の杖を出してしまうことが多いですね。
  I様 :その結果、生活の質を下げてしまうことに繋がると思います。みんなでアイデアを出し
      合って、一番良い介助方法を探っていけると良いと思います。ケアプランはご家族への
      同意もいただいているので、その際にご家族の意見を聞くことで、ご家族も一緒に混
      ざってもらうなど、積極的にご家族への連絡・説明した事実を残しておくことが重要だ
      と思います。
  理事長:日々の忙しい業務をこなしていくなかで虐待に近い言動が生まれてしまうこともある
      と思います。ただ、私たちは職員一人一人を信じていくしかない。上の者の考え方は、
      日常的な言動の中で自然としたの者に伝わっていると思います。

 ②令和4年12月28日(水)
 <身体拘束・虐待についての勉強>
  虐待の目を摘む!「不適切なケア」の事例と改善策から考える高齢者虐待防止策
  介護施設における高齢者虐待は、ご利用者様の尊厳を脅かす大変大きな問題です。虐待を防止
  するためには発生した事案だけに対処するだけではなく、虐待が表面化する以前にあったはず
  の「不適切なケア」に早い段階で気づくことが重要になります。
 
  不適切なケアとは?
  不適切なケアとは、明確に虐待であるとは言い切れないものの、適切であるとも言えない
  ような「グレーゾーン」のケアを指します。例えば、以下のような行為は不適切なケアと
  言えます。
   ・友達感覚で接したり子供扱いする。
   ・あだ名や○○ちゃん呼び、呼び捨てにする。
   ・威圧的な態度や命令口調で接する。
   ・声がけをせずに介助したり、居室に入ったり、私物を触ったりする。
   ・プライバシーに配慮せずスタッフ同士で話題にしたり個人情報を扱ったりする。
   ・頻繁に「ちょっと待って」と言い、長時間待たせる。
   ・日用品や生活に必要な道具が壊れたままになっている。
   ・ご利用者様からの呼びかけやコールを無視したり、意見や訴えに否定的な態度を取ったり
    する。
   ・食事や入浴介助の無理強いなど、ご利用者様に嫌悪感を抱かせるような援助をする。
   ・ご利用者様の身体で遊んだり、人格を無視した関りをしたりする。
   ・ご利用者様やその家族の言動をあざ笑ったり、悪口を言ったりする。
   ・プライバシーへの配慮に欠けたケアを行っている。
   ・ご利用者様に対いて乱暴で雑な介助や、いい加減な態度・受け答えをしている。
  不適切な介助が改善されないまま放置されると、エスカレートして虐待につながってしまい
  ます。そのため、上記のようなケアを早期に気づき対処することが虐待の目を摘むために必要
  になります。
 
  高齢者虐待を防止するためにスタッフができること
   ・施設管理や業務管理を見直す。
   ・他のスタッフが悩んでいないか気にかける。
   ・個人ではなくチームとして課題に取り組む。
   ・介護者都合の禍になっていないか現状をチェックする。
   ・目指すべき介護の理念を確認する。
   ・虐待や認知症について学ぶ。
 <ご意見>
  Y様 :私は昔からの付き合いで○○ちゃんなんて呼ぶことがありますが、相手が喜ぶことも
      あるかなと思ってしまう部分もあります。それを避けることで、変に改まってと
      思われてしまうこともあるのかなと。
  I様 :「ちょっと待ってて」はいつまで待てばいいのか心配になってしまう方も多いと
      思うので「○○終わったら行きます」とか理由を言って待っててもらったり、メモを
      渡したりして、利用者さんが状況を想像・可視化できるようにすると良いのかと思い
      ます。
  Y様 :認知症の方でも世話になっていることはわかると思います。こちらからも「待ってて
      くれてありがとう」などと感謝の声かけをすると、相手も嬉しいのではないかと思い
      ます。私は、最近は和顔愛語の気持ちを持って人と接するようにしています。心の
      余裕がないこともあるけど、相手は自分の鏡だと思って、なるべく笑顔で優しく接し
      ようと心がけています。
  理事長:業務削減を考えても、介護度が重度化していく事での仕事量の増加の方が大きくなっ
      てきてしまうこともあったり、職員の入れ替わりによる人員不足なども問題に上がる
      ことがあります。人員不足→大変→雑→虐待といった流れが出来上がってしまう可能性
      もあります。これは昨日・今日に起こったことではなく、長い日々の積み重ねの結果
      だったりもすると思います。かといって、それに伴ってサービスの質の低下に繋がっ
      てしまうことも問題だと思います。
  Y様 :自分たちは良かれと思ってやっていたことも、本人にとってはそうでもないこともあり
      ます。子育てでいえば、親はしつけだと思っていても、周りから見れば虐待ととられて
      しまうこともあって、ある一場面だけ見て「虐待」だと言われてしまうこともあるよう
      です。
 
*評価・要望・助言
 <入居者代表>
  K様 :この前、近所の人が隣の部屋に入りました。昔からたまにお茶飲みに行ったりしてた
      から、その時みたいで、お話しするのが楽しいです。
  O様 :最近食欲がなくなって皆に心配してもらっていたけど、また少しずつ食べられるよう
      になってきました。毎日お仕事ももらって頑張ってやっています。去年、孫とひ孫が
      面会に来てくれて、窓の外だったけど、会えて嬉しかった。とってもかわいかった
      です。
  O様 :昔から腰が痛くて。これはずっと付き合っていかなきゃいけない。去年、ちょっと
      したことで部屋で転んじゃったけど、怪我しなくて良かった。毎日気をつけて動いて
      いるんだけどね。職員さんにお世話になっちゃって、ありがたいです。
 <地域住民代表>
  Y様 :いろいろと話させてもらってんで特にないです。
 <地域包括支援センター>
  I様 :ショートステイは、コロナ禍での集客が大変だと思います。何かショートステイの売り
      を考えるとすると、ここは全室個室なので、のんびりゆっくりと過ごせるところかなと
      思います。温泉宿の感覚で、入浴サービスを泊りで使いたいといった希望が聞かれる
      こともあります。温泉+カラオケみたいな、お風呂を楽しめるショートステイという
      のも良いのではないでしょうか。利用者によっては、入浴が行事の一つみたいなところ
      もあるかと思います。お風呂に入ることで体力も使って、疲れれば夜もぐっすり眠れる
      と思います。その他、マッサージなんかもあったら嬉しいでしょうね。
 <ふくろうの杜>
  理事長:コロナが流行りだして早3年。昨年はコロナに明け暮れた1年でした。
      昨年の9月にはふくろうの杜ショートステイ、12月にはさくらの杜においてコロナが
      発生しました、私どもも初めての経験で、毎日対策を講じながら、その大変さを身を
      もって体験しました。
      コロナの対応については、シュミレーションが重要だと感じました。日々変わりゆく
      現場において、その時の状況に応じて判断していかないといけないので難しい。
      レッドゾーンで対応した職員も、勤務拒否があってもやむを得ない中でも、職員は協力
      してくれたのがありがたかったです。
      第一は、自分が感染しない・人にうつさない・職場に持ち込まないが重要です。
      今後も日々の感染対策に取り組んで参りたいと思います。

関連施設
  • 【さくらの杜】宇都宮市の特別養護老人ホーム
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