お知らせ

2023.05.19

運営推進会議

第66回 運営推進会議を開催しました。

 

*運営状況・活動状況報告
 
*身体拘束・虐待防止委員会内容報告、ご意見

①令和5年3月8日(水)

 事例<身体拘束・虐待についての勉強会>

  ~認知症患者に身体拘束の現状について~

  日本の施設(病院含む)ではどの程度の割合で、身体拘束を行っているのでしょうか。介護
  施設や病院全体で65.9%の期間が、身体拘束ゼロを達成していないという調査結果があり
  ます。認知症の疑いのある約4.5%の方々が身体拘束をされた経験があるという結果がでま
  した。中でも、ベッド柵をつけられることが最も多いです。続いて、拘束帯ベルト、抜去等
  防止の手袋の使用が原因となります。大きな理由は事故やトラブル防止のためです。認知症
  患者の方々の多くは、理解力の低下が認められ、徘徊による転倒事故などが要因と考えられ
  ます。次いで多いのが点滴抜去です。点滴に関する事故、リスクも非常に多く、身体拘束を
  せざるを得ない理由の殆どが転倒、事故、点滴のトラブル防止によるものです。

  ~身体拘束3原則~

  <切迫性 >認知症患者のご本人、もしくは他の患者の方々が危険にさらされる可能性が
        著しく高い時に適用されます。

  <非代替性>身体拘束をする以外の介護方法がない場合のみ適用。

  <一時性 >やむを得ず、認知症患者の方を拘束する場合であっても、拘束は一時的で
        なければならないという原則。

  身体拘束禁止の対象となる行為は11項目あり、内容については

  ・ひも、柵、ミトン、つなぎ服、立ち上がりにくい椅子などを使い行動を制限すること。

  ・向精神薬を過剰に服用させること。

  ・自分の意思で開けることの出来ない場所に隔離すること、等が挙げられます。

  ~認知症患者を身体拘束する弊害~

  実際に身体拘束をした時、認知症患者の方から何かしらの弊害が生じることがあるのでしょう
  か。身体拘束を行うと人権上の問題だけでなく、認知症患者の生活の質を下げる危険性があり
  ます。生活の質を下げる危険とは、「身体拘束により筋力が低下する」「尊厳の侵害・ストレ
  スから食欲の低下、社会への不信感の深刻化・認知症の進行が認められる」などです。肉体的
  にも精神的にも弊害が伴う恐れが報告されています。

  ~まとめ~

  今後の介護施設では、「身体を制御しない介護」が求められています。身体を抑制しない介護
  とは、身体拘束ゼロを目指した取り組みです。認知症患者の方の身体拘束を許容する考えを
  根本的から問いただし、容易ではないとされる「身体拘束の廃止」を目指す取り組みです。
  その基礎となるのが、「事故の起きない環境づくり」です。転倒や転落といった事故が起き
  ないような環境づくりをすることが求められています。認知症患者の方だけでなく、社会全体
  で取り組むべき方針として、今後の介護の正しい形となるかもしれません。

 ご意見

  (I様)認知症の方の安全確保の観点から、身体拘束をしがちな施設も多いと思います。
     ですが、安易に身体拘束を行ってしまうと、その方の人権や生活の質まで下げてしまう
     こと、また身体的な弊害をも引き起こしかねない行為ですよね。誰しも拘束はされたく
     ないでしょうし、その立場に立って、今後も介護をしてほしいと思います。

  (O様)病院とかでは入院中に縛られることがあると聞いたことがあります。いろいろな事情
     や状況もあり、そうしてしまうと思います。ましてや認知症を患っている方ですと、
     職員さんの話もわかりにくい方もいらっしゃると思います。そういった方の介護を
     している職員さんは大変ですね。

 

②令和5年4月12日(水)

 <各ユニットの身体拘束・虐待についての事例>

  くるみユニット

  89歳 男性 場所がわからない、物忘れ等の認知機能低下あり。
  移乗時は立位状態に応じて身体を支える介助が必要。
  自宅で転倒し頚椎損傷により入院し、その後ふくろうの杜へ入居となったケース。

  事例 :日中は軽介助にてトイレに行かれている。夜間トイレ希望で起き出しあるが、
      簡易電灯での行動のため転倒リスクあり。自ユニット夜勤者不在時は行動把握が
      不十分になってしまう時間が多いため、ベッド脇に車イスを設置せず、居室外廊下に
      設置している。それは、拘束・虐待にあたるのか。

  改善策:夜間、ポータブルトイレの使用を検討する。動線の確保とセンサーマットの使用を
      検討する。

  その後の経過:
      ポータブル設置の改善策に対して、設置は見送り、日中と同様ベッドサイドに
      車イスを設置。ブレーキの確認も本人ができているため、特に問題なくトイレへ
      行けている。今後はブレーキのかけ忘れ等の事故に繋がる事例が出た際に再度検討
      することとする。

 ご意見

  (Y様)本人が車イスのブレーキの確認ができるのであれば、トイレに行ってた方がいいと
     思います。やっぱりポータブルトイレで用を足すのは嫌だと思います。
  (O様)転んでしまう可能性についての不安は確かにありますが、その点を踏まえつつの対策
     がとれて、トイレに行って用を足せるのであればいいと思います。トイレはトイレと
     して、部屋は部屋として使えるのであればそれに越したことはないです。

 

*評価・要望・助言

 入居者代表

  (K様)この前、建物の中を職員さんが車イスを押してくれて散歩した時、ベランダに花が
     咲いていてとてもきれいでした。またいろいろな所に散歩に行きたいです。

  (O様)自分のことは自分でやろうと思って、押し車を押して歩いたり、食事も残さないよう
     に全部食べるようにしているよ。残したらもったいないからね。腰は変わらず痛い
     けど、職員さんにお世話になりながら頑張ってます。

  (O様)毎日、TVを観たり、洗濯物をたたんだり、のんびりと過ごしています。この前は、
     ベランダに咲いている花を見に連れて行ってもらいました。私、花が好きなんです。
     たくさんきれいな花が咲いていました。

 家族代表

  (O様)5/8にコロナが5類になりましたが、これまでは、自粛・制限等があり施設にウイルス
     が入るリスクは少なかったと思いますが、これからは職員さんも感染しないように
     持ち込まないように精神的な負担が大きくなりますね。本当にありがたく思います。

 地域住民代表

  (Y様)5類になったことで、これまで外出や外食、旅行等に出かけられる方も増えると思い
     ます。栃木県も観光地があるので、県外からの旅行者も増えるでしょうね。施設内に
     入り込まないように職員さんもかからないようにしてください。

 地域包括支援センター

  (I様)コロナが流行して3年が経ちますが、入居者の方はお変わりないですか?好きな時に
     外出とかもできなかったでしょうし、面会なども直接会えなくて精神的に負担だったと
     思います。5類になったことで、少しずつになると思いますが、外に出られる期間が
     増えるといいですね。

 

関連施設
  • 【さくらの杜】宇都宮市の特別養護老人ホーム
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