会 議等 記 録 簿
会議名 第70回運営推進会議 場所 ふくろうのもり会議室
日 時 令和6年1月19日(金) PM 3時30分 ~ PM 4時30分
出席者 下記のとおり
記録者 生活相談員
テーマ
1.出席者
入居者代表・・・・・A様、B様、C様(意見を事前聴取)
家族代表・・・・・・D様、E様
地域住民代表・・・F様(民生委員)
地域包括支援センター職員・・・・G様(田原)
施設職員・・・・・・・理事長、生活相談員
2.運営状況・活動状況報告
(1)運営状況
①特養月別入退居者数状況
11月 12月
入居 1名 2名
退居 0名 1名
②特養月別入退院・外泊者数状況
11月 12月
入院 1名 1名
退院 0名 0名
外泊 0名 0名
③特養月別延べ利用者数・稼働率
11月 12月
延人数 819名 869名
稼働率 94.1% 96.7%
④ショート月別延べ利用者数・稼働率
11月 12月
延人数 334名 339名
稼働率 55.7% 54.7%
(2)活動状況
①行事実施状況
11/30消防訓練
12/22消防訓練
その他各ユニットで誕生会、クリスマス会、レクリエーション、ユニット調理、手作りおやつ等実施
②ボランティア等受け入れ状況
11/6床屋
12/4床屋
制限をかけ、床屋のみボランティアを再開しました。その他のボランティアについては引き続き中止とさせていただいております。
③ホール使用状況
新型コロナウイルス拡大防止のため、ホールの使用を一時中止とさせていただきました。
④地域との交流
なし
⑤実習の受入
なし
3.身体拘束、虐待防止委員会内容報告、ご意見
①令和5年11月8日(水)
他施設での身体拘束・虐待の事例
千葉 袖ヶ浦 特養ホームで再び心理的虐待を確認 入所者に暴言(2023/10/18 14:37投稿)
去年、心理的虐待が確認された千葉県袖ケ浦市にある特別養護老人ホームで、再び、職員 が入所者に暴言を吐く心理的虐待をしていたことが確認され、市は改善を求めるとともに、定期的に職員を派遣するなどして改善が進んでいるか確認することにしています。
袖ケ浦市によりますと、市内にある老人ホームについて、ことし8月に寄せられた匿名の情報を受けて市が調べたところ、職員1人が80代の入所者に、「うるせえばばあ」と暴言を吐いたことが確認されたということです。
死は心理的虐待に当たるとして施設に改善を求め、施設から改善計画の提出を受けました。
この施設では去年も、職員2人がトイレに行く入所者に対し、「早くやれ」などと強い口調で暴言を吐く心理的虐待が確認され、市から改善を求められていました。
市は施設で毎月開かれる虐待防止の委員会に職員を派遣するなどして、改善が進んでいるか確認することにしています。
施設を運営する社会福祉法人は「虐待が2回認定されたことは申し訳なく、重く受け止めています。
抜本的な対策を進めていきます」と話しています。
・なぜこういったことが起こってしまったのか、どう改善すべきか
【施設での改善策】
・注意する環境がなかったのではないか。
・日常的に気をつけるように目標をつけてはどうか。
・個人としての問題ではなく施設全体で取り組んでいかないといけない。
【ご意見】
(F様)親子でも乱暴な言葉遣いになってしまう。若い人だけの子育てが悪いわけではないが、子育ての環境によっては、性格も変わってしまうことがある。イライラしやすい子供になることもある。福祉の仕事は、「看させていただく、看させていただいている」と思うことが大切だと思う。
(D様)核家族化が進みじぃ、ばぁがいない家庭が増えた。共働きの親が多い時代に、昔であれば、学校から帰って親が帰宅するまでは、じぃ、ばぁが看ていた家庭がほとんどであった。お腹が空いたと言われれば、おにぎりを握って食べさせたりと小さな頃から高齢者との関わりがあっ
た。親が看られない時には、地域で育てる環境、地域との関わり、地域参加をすることで、近所の人に顔を覚えてもらっていた。そういう地域になってほしいと思う。
今の時代は実家に帰省して、じぃ、ばぁがいれば優しい言葉も学べると思う。思いやりや優しい言葉が学べると思う。
3.身体拘束、虐待防止委員会内容報告、ご意見
②令和5年12月13日(水)
身体拘束・虐待防止についての勉強会
1.「介護保険の理念」の確認
虐待研修では、必ず振り返りたいのがこの「介護保険の理念」です。
「この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を必要とする者等について、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上 及び福祉の増進を図ることを目的とする」
こでいう“自立”とはどういう意味でしょうか。自立とは、生活主体者として生きる行為のこと。
それが例え『介護が必要な状態であっても』です。より具体的にすると、介護が必要な状態であっても自分で決める(自己決定権)を行使することです。例えば、ご利用者で「私は30分かけて洋服を着ることより、介助を受けて5分で着替え、残りの時間で社会参加をしたい」と考えるならそれを尊重すべきです。介護保険法による“自立支援”はリハビリの要素よりも、自分で決定できる(自己決定)ように支援することなのです。
職員の虐待に繋がる考えとしては、「これだけやってあげたのに…」「あの利用者さん、全然感謝心がない…」「ほんとにわがままな人だ…」というものです。この考え方は、“介護者依存”を生む考え方です。介護保険における“自立”を支援する考えからかけ離れています。
職員皆が“自立支援”の考え方を共有できていたら虐待は起こりにくくなります。ここを再度確認しておきましょう。
2.権利擁護
次に“権利擁護”という言葉です。何の権利かというと、人としての権利、いわゆる人権です。
権利擁護とは、『本人が自らの意思を表明するよう支援しその意思の実現を権利として本人に代わって擁護すること』です。
①権利擁護にはパターナリズムに注意
権利擁護にはパターナリズムに注意が必要です。パターナリズムとは、強い立場にある人が弱い立場にある者の利益の為だとして、本人の意思は問わずに介入・干渉・支援することです。例えば、「○○さん、私がしておくから座っていてください。危ないですから」とご本人が望んでいないのに介入してしまうことです。職員は無意識にこのような発言をしてしまうことがあるかと思います。そうならないためには“説明”と“同意”に尽きます。やはり基本は大事
ですね。
②介護保険制度と権利擁護
介護保険ができてから権利擁護の制度もいろいろできました。
・苦情解決システム
・身体拘束ゼロ作戦⇒高齢者虐待防止法へ
・第三者委員(社会福祉法人)
・認知症高齢者の権利擁護
・日常生活支援事業
・成年後見制度 等です。 これだけ、この権利擁護が必要でかつ難しいことがわかります。
3.介護施設で虐待はなぜ起こるのか 介護施設で虐待がなぜ起こるのか、その理由を4つにまとめてみました。
①対人援助の基本を忘れている(知っていない・わかっていない)
「私は利用者さんに~してあげている、感謝されて当たり前」という考え方です。
パターナリズムになった介護をしてしまっている方はこのような考え方になってしまっています。また、「何を言ってるんだ!そんなこと施設で無理に決まっている」とか、「あの利用者は周りの事を全然考えていない」という考え方もあります。そのような考えが蓄積すると「職員
のいうことを聞く利用者が良い利用者。逆に自己主張の強いわがままな利用者は悪い利用者」という思考になってしまいます。これでは自立支援の考え方にも反してしまします。
「あなたの(利用者さんの)意思を尊重したいのですが、この施設ではそれをかなえることができません。申し訳ありません。」という姿勢が必要です。このような考え方はバイスティックの7原則のうちの一つ『非審判的な態度』です。対人援助者はバスティックの7原則がとても
重要になりますので、再度確認しましょう。
<バイスティックの7原則>
1)個別化(利用者を個人として捉える)一括りで考えない!
2)意図的な感情表出(利用者の感情表現を大切にする)ご利用者が話を聞いて欲しい時には感情を丁寧に聞いていく
3)統制された情緒関与(援助者は自分の感情を自覚して吟味する)
4)受容(受け止める)「あなたはそう思われるんですね」をいう対応をする。
5)非審判的態度(利用者を一方的に非難しない)
6)自己決定の原則(利用者の自己決定を促して尊重する)最終決定をするのはご利用者。
ただし、ご利用者の言いなりになるのとは違う。
7)秘密保持(秘密を保持して信頼感を醸成する)
②対人援助の基本を実践できる環境が整っていない
人が足りない、設備ができていない、などで忙しい状態が続くと職員に余裕がなくなります。職員はいつでもセカセカとスピードやノルマを意識せざる得なくなります。このような環境では、真面目な人ほど疲弊してしまいます。疲弊しきった職員はイライラしてしまい、不適節な言動や虐待 に繋がってしまうことも考えられます。管理職による「環境改善」は常に必要です。
③感情によって行動を制御できない職員も人間です。我慢できない時もあります。どうしてもの時は交代しましょう。そしてヘルプを求めることができる、職場の人間関係を日頃から構築しておきましょう。
④対人援助の基本を実践できない悩みを抱え込んでしまう管理職は「組織内の『報・連・相』や『人材育成』仕組み・ルールはどうか」などを再度確認しましょう。仕組みやルールが適切でなければ、その分ご利用者やご家族からクレームが来ます。クレームが多くなると、その分職員の負担も蓄積されます。仕組みやルールで解決できる
ことはたくさんあるはずです。職員が対人援助の基本が実践できる環境を整えましょう。
4.虐待の種類
虐待の種類は下記の6項目です。
・身体的虐待
・身体拘束
・心理的虐待:脅しや侮辱などの言葉や態度、無視、嫌がらせ等によって精神的苦痛を与えること。
・ネグレクト
・性的虐待
・経済的虐待
5.不適切なケア【ワーク:「不適切なケア」ってなに?】
高齢者虐待の前段階として、「不適切なケア」が存在します。
配慮が不足した関わりは全て「不適切なケア」と呼ばれます。何気ない一言や、必要だと思って やった介助が「不適切なケア」にあたることもあります。この「不適切なケア」の段階で改善に繋げていく働きかけを行うことが、虐待防止に繋がります。下記に例を挙げてみます。
・ご本人が嫌がっているのに、ポータブルトイレやオムツを使用した。
・自分で食べられるのに、時間短縮のため食事の介助をした。
・寝ているのに、起こしてお風呂に入れた。
・本人も急いでいたので、急に車椅子を動かした。
・狭かったので車椅子を壁や椅子に当てながら移動した。
・お部屋を片付けようと思い、ご本人の物を勝手に捨てた。
・無駄使いするので、ご本人のお金を使えないようにした。
・転倒や転落を防ぐため、ベッドをサイドレールで囲った。
たとえ必要なケアであっても、ご本人が嫌がっていることや、心が傷つけられる事なら、「不適切
なケアになってしまいます。安全や健康を守るために仕方ないことも多々あります。介護を受けるご本人の思い通りにはいかないことも多いです。しかし、だからこそ、「ご本人はどう思っているのか?」という視点を常に持って介護にあたることが大切です。
ちょっとした言葉が「不適切なケア」になることもあります。
・聞かれたことに対して「何度も言ったでしょう」などとそっけない返答をする。
・相手が真剣に訴えたことに対して、軽口や冗談で返す。
・呼ばれたが忙しいので一時的に無視をする。
・「なぜできないの?」「いい加減にして!」など本人が委縮するような言葉をぶつける。
・「リハビリしないと寝たきりになるよ」などと不安をあおる言葉をかける。
・認知症の方に「お母さん」を呼ばれて「お母さんじゃないよ」と否定する。
普段のちょっとした会話が虐待に繋がってしまうこともあります。普段からの会話は非常に重要です。
6.対人援助者に求められる基本姿勢
この業界にはいろいろな動機で働いている職員がいます。「人と接する仕事が好き」「感謝される仕事に就きたかった」という方もおられるし、「お金のため」「手っ取り早く資格が取れるから」という方もおられます。
下記の4項目はどんな動機で働いてるにせよ、守らないと真面に働けない“基本中の基本”です対人援助者に必ず求められる姿勢です。
①援助者の価値観を利用者に押しつけない。
例)危ないから座ってて。これは“スピーチロック”と呼ばれる虐待にもあたります。
②説明と同意声かけの基本です。
③援助職者としての倫理観を守る
例)業務より利用者の福利を優先する。ご利用者の秘密を守る。研修等を受けレベルアップする等
④情緒的客観性をもつ
例)えこひいきをしない
7.ユマニチュード
認知症のご利用者は様々な機能が低下し、他者に依存しなければならない状況になってしまいます。しかし私たちは、ご利用者が最後の日まで尊厳を持って暮らし、その生涯を通じて“人間らしい”存在であり続けることを支えることが仕事です。具体的にはケアを行う私たちが、ご利用者
に「あなたの事を大切に思っています」というメッセージを常に発信する事が必要です。その方法として“ユマニチュード”があります。ユマニチュードを簡単に説明します。ユマニチュードは3つに分けられます。
①見る
ご利用者を見つめることです。正面から水平に、近く、長く、見つめるテクニックです。目があったら、2秒以内に話しかけます。そうすると自分が敵意を持っていないことを示すことができます。
相手をみない、ということは「あなたは存在しない」というメッセージを送ることです。人は他者から「見てもらえない」状態では生きていけません。見ることで「あなたはここにいるのですよ」とメッセージを送り続けることがユマニチュードの原点です。
②話しかけること恋人、または大切な家族に話しかけるように、優しく・歌うように・穏やかに話しかけます。最も悪いことは、相手を無視して話しかけない事です。それは「あなたは存在しない」というメッセージを送ってしまっています。「何を話しかけていいかわからない」という方は、自分が今行っているケアの様子を言葉にすることをお勧めします。ご利用者の名前を呼びながら、ケアの間常に話しかけ続けます。もちろん、否定的な言葉は使わず、前向きな言葉を用いて行いましょう。
③触れること
指先でつまんだり、握ったりせず、広い面積で、ゆっくりと、優しく、やわらかく、撫でるように、包み込むように触ります。そのような触り方で、「優しさ」「喜び」「慈愛」「信頼」がケアを受ける人に伝わり、信頼関係が養える技術です。
【ご意見】
(E様)普段何気なく使っていた言葉が、虐待になることもあるんですね。「ちょっと待ってて、ちょっと座ってて」なんて、家族だったら使っちゃいますね。
(G様)認知症の方って、不安な気持ちを抱きやすいというか、周りの方の接し方で安心したりしますよね。
ご利用者の方に目線を合わせ、手で触れながら声掛けをすると、精神的な安心が得られ、心も開きやすくなると思います。
4.評価・要望・助言
(D様)・母の布団や洋服を1年通して着られる分を、部屋に保管していただいています。職員さんが管理してくれていて、「まだ、これは着られるかな」と取っておいていただいている洋服もあると思います。娘、家族として「これはもう捨ててもいいかな」「この服はもう着ないかな」というもの整理をしてあげたいと思っています。食事や入浴とかは、私にはできませんが、家族として関われる唯一の事だと思うんです。「これ、ばぁちゃんに着せてあげたい」とか流行りの服とかも着てもらいたいと思っています。コロナなどの感染症の予防もありがたいですが、部屋
に入って、荷物整理等の機会がもらえればと思いますがいかがでしょうか。
(理事長)・コロナも5類になしましたし、来年度から徐々に面会等の一部緩和も検討しているところです。たしかに、ご家族様の思いも強く共感します。衣替えの時期とか、春夏秋冬に1回とかの部屋への訪問を前向きに検討させてください。結果は追って連絡させていただければと
思います。
5.その他
お知らせ
2024.01.23